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2017年 02月 02日 ( 2 )

川又一英『ヒゲのウヰスキー誕生す』

 一冊の本を紹介させてください。
 川又一英『ヒゲのウヰスキー誕生す』新潮文庫 2014年(平成26年)
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 NHKの連続テレビ小説『マッサン』。2014~2015年にかけて半年間、放送されました。記憶に残っている方も、少なくないでしょう。
 ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝とその妻リタとの実話をモデルとして、大正~昭和の日本のウイスキーづくりをわかりやすく描いている、とても良いドラマでした。数回だけは見逃してしまいましたが、最初から最後まで楽しく見続けることができました。
 『マッサン』の影響は、大きかったと思います。放送がスタートして間もない頃でした。20代後半あたりと思われる女性がお2人でご来店で、「山崎10年と余市12年(両方とも販売終了品;当時弊店には少しだけ残っていた)、どちらもストレートでお願いします」とご注文でした。うわぁ~、女の子でもこのウイスキーか、しかもストレート!声には出さなかったものの、ずいぶん驚かされました。

 画像で掲出している『ヒゲのウヰスキー誕生す』は、『マッサン』放送スタートのタイミングを見据えてのことだったのでしょう、2014年07月発行となっています。ただし、解説の後に「この作品は昭和五十七年十一月新潮社より刊行された。」と記されています。当初の、つまり昭和57年(=1982年)の単行本も、竹鶴政孝が1979年08月に没していることから考えてみれば、タイミング的に適切だったのかもしれません。

 NHKの『マッサン』公式サイトによれば、「原作・脚本 羽原大介」となっていて、『ヒゲのウヰスキー誕生す』に関しては特に言及がありません。しかし、読み終えた自分としては、『マッサン』のドラマ構成にかなりの影響を及ぼしているな、と感じました。また、何かしら公式サイトで紹介しておくのが親切ではないか?とも思いました。

 少し話が戻ります。この本の初版は1982年です。35年前です。2017年の現在とでは、ウイスキー事情が若干異なっていることをあらかじめ認識しておかないと、読んでいてやや違和感が出てくるかもしれません。
 現在では、より選ばれた素材を、より手作りに近い方法で、より小規模に生産をしているウイスキーが、尊ばれる傾向にあると思います。象徴的なのが、スコットランドや日本のシングルモルトです。蒸溜所に近い産地の大麦を手作業で加工、厳選したオーク樽で○○年熟成、ボトリングは限定数千本、この類の商品に注目が集まって、瞬殺で売り切れたりもします。
 一方、1982年の時点ではどうだったでしょうか。自分はまだ12歳でしたから、世のウイスキー事情は知るはずもなかったのですが…少なくとも現在ほどシングルモルトが流通していなかったのは、確かなようです(※1)。当のニッカウヰスキーも、自社初のシングルモルト「北海道」をリリースしたのは1984年になってからでした(※2)。この時代は、ニュートラルな性質のグレーンウイスキーと個性的なモルトウイスキーとをいくつか混ぜ合わせることによって味と香りの特徴を出す、ブレンデッドウイスキーがほぼ独占的に主流だったようです。
 『ヒゲのウヰスキー誕生す』でも、ブレンデッドウイスキーの完成を最終的な到達点としています。書中から引用します。

 (前略)ニッカウヰスキーでは単式蒸溜器でモルト・ウイスキーを造り、カフェ式蒸溜機によるグレイン・ウイスキーとブレンドできるまでになった。そして来年には仙台にもう一つ原酒工場ができる。(中略)仙台の工場が蒸溜を始めたあかつきには、余市の原酒と仙台の原酒とを混合し、西宮工場のグレイン・ウイスキーとブレンドしてブレンディド・ウイスキーの名にふさわしい製品が育っていくだろう。
 (pp.314-315)

 やや専門的な用語が含まれていますが、ごく簡単に言ってしまえば、現在もてはやされているウイスキーとはちょっと違う、規模の大きい工場で生産した完成品を竹鶴政孝が目指していた、ということになると思います。

 とは言え、この35年間に状況の変化があるにしても、日本のウイスキーづくりに大きな足跡を残した偉人を知るための好著であることは、間違いありません。
 弊店の本棚に置いておきます。ぜひ読んでください。

【追記】
 当書のエピローグで興味深い事柄が書かれている。著者は竹鶴リタの出身地=スコットランドのカーカンテロフ(Kirkintilloch,カーキンティロックとも)の町立図書館で調査をした。その際に司書から、この町が1968年まで禁酒区だったことを聞き取っている。
 スコットランドと言えばウイスキーの本場であり、当地の人々も誇りに思い伝統的に好んで飲んでいるのでは?と勝手に思い込んでしまっていたが、必ずしもそうでないばかりか、近年まで禁酒運動(temperance movement)の影響が強かった土地と知り、驚いている。

(※1)土屋守『ウイスキー通』新潮選書 2007年 p.23
(※2)『ニッカウヰスキーと私~竹鶴威の回想録~』「第61話 シングルモルト北海道

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by connection1970 | 2017-02-02 17:28 | お酒に関する話題 | Comments(0)

コネクシオン日誌170128~170130・170201

 170128土曜日。
 営業時。通常営業でスタート。静かな時間が続く。22:30を過ぎて漸くご来客。自主企画の会。群馬県ご出身の方々が集まる。一般のお客様もポツリポツリ。朝方まで就業。

 170129日曜日。
 営業時。通常営業。早めの時間に馴染みのお客様がポツリ。以上。1名様で完結。

 170130月曜日。
 始業前。職場へ着くとお隣のお店のサインが新しい物になっているのにまず目がいく。カラオケ酒場とのこと。こちらも負けないように頑張らねば。
 営業時。19:30頃よりご来客が重なる。当方からお誘いしていたお客様にプラスオン。昨日とは違い良い状況で進行。01月の売上はソコソコの着地になりそうである。23:00頃に2名様1組。前職でお世話になった方。さらに3名様が加わる。ウイスキー類が好調。平日とは思えない結果に達する。ありがたい。

 170201水曜日。
 出勤前。知人の営む喫茶店へ。星新一の著作を読む。面白い。
 始業前。お隣のお店が開店の様子。花が届けられ賑やかになりそうな雰囲気。
 営業時。早めの時間からご来客あり。ビールを頂戴しながら談笑。一旦静かになるが22:00にご予約のお客様が2名。レコードを楽しく拝聴。全4名様で完結。
 終業後。お隣のお店は02:00頃から繁盛している様子。深夜帯に強いようだ。こちらも負けていられない…と思いつつも退勤する。

 170202木曜日は通常営業。
 170203金曜日は通常営業。

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by connection1970 | 2017-02-02 13:52 | コネクシオン日誌 | Comments(0)