カテゴリ:本に関する話題( 24 )

川畑弘『BAR物語 止まり木で訊いたもてなしの心得』

 一冊の本を紹介します。
 川畑弘『BAR物語 止まり木で訊いたもてなしの心得』集英社インターナショナル 2017年(平成29年)
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 帯に「最良の案内書!」とあります。しかし、飲食店経営者にとっては、参考書ですね。
 著者の川畑弘さんは、サントリーが発行しているバー向けのPR誌『ウイスキーヴォイス』の編集長です。一度弊店も取材していただき、『ウイスキーヴォイス』に掲載していただいたことがあります(ちょっとした自慢です)。
 『BAR物語~』、早速全部読んでみました。これはありそうでなかった視点かも?と、思いました。
 バーに関する書物は、大きく分けて2系統あるのでは?と自分は考えています。1つは、バーで働いている人もしくはバーのプロフェッショナルが書いている、教則本の系統。カクテルのレシピ集や、『バーテンダー○○マニュアル』など。もう1つは、バーのお客さんがバーについて書いている探訪記の系統。バーのあるべき姿について書かれていることが多く、最終的にどんなバーが良いか?という着地になります。
 『BAR物語~』は、後者の系統になるでしょう。しかし、大きく違っているところがあります。切り口が常に”人(=バーテンダー)”になっています。さらに、その”人(=バーテンダー)”のタイプがそれぞれ全く異なっていて、「あぁ、こんな人が働いているお店も世の中にはあるんだなぁ」と、読む者に広がりを感じさせます。

 いつも通り、弊店の本棚に置いておきます…と言いたいところですが、しばらくは自分自身の参考書として熟読するつもりです。

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by connection1970 | 2017-12-07 16:04 | 本に関する話題 | Comments(0)

『6/0 Six over Zero ― 六つの無限空間』追加入荷!

 こんばんは。
 09月に入荷・発売した冊子『6/0 Six over Zero ― 六つの無限空間』。コネクシオンがモデルとなっている、根津弥生さんによる短編空想小説「カフェバー伝書鳩」が収録されています。1冊500円です。
 おかげ様で、09月の入荷分を完売しました。どうもありがとうございます!
 そこで、ご好評なのでぜひ…と作者の弥生さんにお願いをし、特別に追加入荷となりました。
 納品されたその日うちに、早速1冊売れましたよ。お早めにお買い求めくださいませ。
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by connection1970 | 2017-10-12 20:19 | 本に関する話題 | Comments(0)

『6/0 Six over Zero ― 六つの無限空間』発売です!

 こんばんは。
 過日このブログで紹介した冊子『6/0 Six over Zero ― 六つの無限空間』が入荷しました。
 コネクシオンがモデルとなっている、根津弥生さんによる短編空想小説「カフェバー伝書鳩」が収録されています。1冊500円です。
 限定5冊です(→残り2冊となりました…09/18追記)。お早めに!
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by connection1970 | 2017-09-21 13:57 | 本に関する話題 | Comments(0)

『6/0 Six over Zero ― 六つの無限空間』

MM君「abrupt。」
KK「あれ?何だっけ?突然の、とか。」
MM君「当たり。」
KK「じゃ、participate in。」
MM君「参加する。」
KK「その通り。」

 30年ほど前のことなので、記憶が定かではありませんが…同級生のMM君と自分(=KK)とで、こんなやりとりをしながら高校への通学路を歩いていました。青春出版社『試験にでる英単語』『試験にでる英熟語』の、おさらいです。この効果があったのでしょうか、MM君も自分も無事に進学できました(2人とも1浪してしまいましたが)。
 MM君は長野県松本市にある国立の経済学部へ。自分は都内にある私立の文学部へ。共通点は、全くありません。しかしなぜか、交流が続きました。MM君が住んでいる松本の下宿を突然訪問したりして、びっくりさせたこともありました。そんな時には、山崎努の出演している『八つ墓村』のVHSビデオを回して歓待してくれました。
 その後、MM君は公務員となり、現在も同じ仕事を続けています。出身地近くに彼自身の家を建てたりして、堅実に暮らしているようです。自分はと言えば、2つの会社に勤めたもののドロップアウトして高円寺で小さい飲み屋をやっています。住まいは賃貸アパートです。
 共通点は、相変わらず全くありません。普通に考えれば交流は途切れてしまいそうなのですが、ありがたいことに今も続いています。

 2~3年前のことだったと思います。女性のお客様がポツリとご来店でした。確か、ビールをご注文でした。テーブル席にそれを運ぶと、声をかけられました。
 「MMの妹です。」
 「えええええ???」
 驚かないわけがありません。しかし、お顔を見ていると妙な安心感が湧いてきました。MM君に良く似ているからです。

 MM君の妹さん=NYさんは、お芝居(劇団の主宰と役者)をしているということでした。ちょっと面白そうだな、と興味を持って何度か舞台を拝見しました。
 変なもので、NYさんが演じていた姿を思い出すと、どうしてもMM君を舞台で見ていたような記憶に置換されてしまいます。兄と妹で顔が似ているから仕方がないよな、とも思ってみました。ただし、それだけではないような、不思議な感じがしました。

 昨年の秋頃だったでしょうか。
 「コネクシオンで芝居をしてみたいと思いますが、どうですか?」とNYさんから問い合わせがありました。
 「それはぜひ!」と即答しました。いつか誰かがそんなことを起案してくれるだろう。開業以来、うっすらと期待していたからです。

 半年ほど経過して、こんなメッセージがNYさんから届きました。
 「コネクシオンを舞台に書いた脚本をだいぶいじくり回して、友人がプロデュースする小冊子に掲載することになりました。」
 そして今年04月。NYさんが、その小冊子を持ってきてくださいました。「カフェバー伝書鳩」という短編がNYさんの作品でした。静かな雰囲気の空想小説です。
 あぁ、物事の着地点は、こんな形にもなるのか。今までのいろいろな事柄が交錯して、この小説になったのだろうか?と漠然と思いました。
 ただし、一つ。NYさんは、この店を良く見ている。空想の底に描かれているコネクシオンの様子。それだけは、明確にわかりました。
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by connection1970 | 2017-08-25 20:09 | 本に関する話題 | Comments(0)

海老沢泰久『美味礼讃』

 一冊の本を紹介させてください。
 海老沢泰久『美味礼讃』文春文庫 1994年(平成6年)
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 辻静雄(1933~1993)を知っていますか?大阪の辻調理師学校(現:辻調グループ)を創設し、料理研究家としても幅広い活躍をした人物です。上掲の『美味礼讃』は、その辻をモデルにした伝記小説です。

 自分がこの人を知ったのは、少なくともその没後でした。何がきっかけだったのか記憶にありませんが、テレビ番組の『料理天国』に深く関係していた人だぞ、とピンときたことだけは覚えています。
 『料理天国』は姉が好きで、毎週土曜日の18:00になるといつも見ていました。まだ小学校低学年だった自分にはその意義など全くわかっていませんでしたが、“大阪あべの”という文字が頻繁に出てきたこと、スポンサーがサントリー1社だったことが、なぜか刷り込まれていました。

 『美味礼讃』の書中には、『料理天国』のことが出てきます。
 昭和五十年十月四日の夕刻、辻静雄は東京渋谷の高台に買ったアパートの一室で、TBSテレビの新番組がはじまるのを待っていた。辻静雄と辻調理師学校が協力してつくることになった番組で、『料理天国』という新しい趣向の料理番組だった。はじまるまであと十五分あった。(p.395)

 別の書籍で、以下の辻自身の文章を読んだことがあります。
 数ヵ月以前のことだが、サントリーの佐治敬三社長の秘書の方から、おりいってお願いがあると来意をつげられたことがある。佐治さん御夫妻の息子さんが結婚式をあげられるについて、どうも、ありきたりの料理をお出ししたくないので、私に特に献立を考えて下さいというお考えなのだそうだ。(辻静雄『料理人の休日』新潮文庫 1987年(昭和62年) p.100)

 豪華な料理を披露するテレビ番組に深く関わり、財界人との親密な交流もある…いわゆる“セレブ”以外の何者でもない辻静雄。でも、この人が大阪へ行き料理学校の先生となるのは、やや意外な発端でした。再び辻自身の文章を引用します。
 東京の読売新聞は、たしか法政大学が受験場だったように記憶しているが、あとからあとから入ってくる学生たちが、あまりにも利口そうにみえて、深い溜息を洩らしたものである。勿論東京は落ちて、大阪の読売新聞の試験にひっかかったといった方が妥当かもしれない。(中略)家内の親父はしきりに転職をすすめてくれる。こんなオッチョコチョイでは、おそらく並み居る新聞社の秀才たちの中では、出世はとても覚束ないと考えたうえでの勧誘だったのかもしれない。そして、ある日突然に私は料理学校の先生になった。当時ひと皿五十円のカレーライス、三十円のラーメンしか食ったことの無い私にとって、フランス料理を勉強してくれというのである。仏文を出ているのだから、本は読めるでしょうといって、ラルース社から出ている『美味学大事典』を突き付けられたときには、正直いって大いに閉口した。(『料理人の休日』 p.39)

 手もとにもう一冊の書籍があります。『KAWADE夢ムック 文藝別冊 辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者』河出書房新社 2014年(平成26年)。その書中に、エッセイストの玉村豊男が寄せた論考「私が垣間見たカリスマの横顔 ― 先駆者の孤独を偲んで」があります。その一部を引用します。
 海老沢泰久氏の手になる伝記小説『美味礼讃』(文藝春秋社、一九九二年刊)では、辻静雄という人物はいかにも底意地の悪そうな男に描かれており、読後、私はどうしても不快な感じを拭えなかった。私にとっての先生は、可愛くて、お茶目な、人間的魅力にあふれたチャーミングなひとりの男であり、わずかな時間ではあってもそうした辻静雄の素の姿に出会えたことを、私はかけがえのない幸運だと思っている。(『KAWADE夢ムック 文藝別冊 辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者』p.120)
 自分が『美味礼讃』を手に取ったきっかけの一つは、上の文を目にしたからでした。どうしても不快な感じを拭えないくらい、いかにも底意地の悪そうな男として描かれている辻…しかし、自分はそこまで感得できませんでした。
 東京出身の若者が就職を機に大阪へ行き、ひょんなことから当地で料理学校の先生となる。いくつかのトラブルに遭遇しつつも幸運に恵まれ料理研究の第一人者となっていく…高度経済成長期~バブル景気の日本を土壌として大きく成長した、一人の熱意ある男の物語であることは読み取りましたが、ネガティブな印象は残っていません。

 この『美味礼讃』は、弊店の本棚に置いておきます。ぜひ読んでください。

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by connection1970 | 2017-06-15 13:24 | 本に関する話題 | Comments(0)

シング『アラン島』あるいは2017年完全試合記録その1

 2017年03月27日(月)。
 前日の退勤時は降雨。そのため自転車を職場に置き徒歩で帰宅していた。
 16:30頃に自宅を発つ。再び徒歩だ。
 ある古書店の前を通りかかる。戸外の100円均一書棚を眺める。『アラン島』というタイトルの岩波の文庫本に視線が定まる。これはスコッチのシングルモルトウイスキー「アラン」の生産地=アラン島ではないか!と嬉しくなる。手に取って中をペラペラと見る。巻末の“あとがき”には…

 愛蘭土の劇作家ジョン・ミリングトン・シング(John Millington Synge, 1871-1904)は劇作のほかに、幾つかの散文の作品を残してゐる。(p.245)

 と記してある。おや。愛蘭土=アイルランドだろう?蘇格蘭土(スコットランド)とか英吉利(イギリス)とかじゃないのか。まぁいいや。どうせ100円なんだから。買っておけ。
 レジで消費税を合わせた108円を支払う。良い本と遭遇できた満足感。ふふふ。職場へ向かって歩きながら考える。「アラン」はこのあいだ売り切ってしまった。また仕入れなくては。この際だから他バージョンの「アラン」も合わせて何本か買ってしまおうかなぁ。いやいや。そんなに儲かっていないんだからムリムリ。

 職場はいつも通り18:00始業。気温が低めの日。恐らくヒマだろう。事務作業をしたり店内の掃除をしたり。21:00を回る。相変わらず動きナシ。うぅむ。買ってきた『アラン島』でも読むか。
 巻頭に“「アラン島」について”という文がある。野上豊一郎。おッいいじゃないか。この人の別荘は自分の出身地の隣町にあったことだし。
 続いて本編に入る。最初に著者による“緒言”がある。

 アラン島の地理は甚だ簡単であるが、これに就き一言する必要があらう。それは三つの島から成る。(p.9)

 あれれれ。島が三つだって?シングルモルトウイスキーの「アラン」とはちょっと違うんじゃないのかな?最初に確認していた“あとがき”の部分を再度開いてみる。

 それ等は主に愛蘭土の諸地方を旅行して書いた紀行乃至随筆であるが、その中での「アラン島」(The Aran Islands)は比較的初期のもので(下略)(p.245)

 と記してある。ん?シングルモルトウイスキーは確か「Isle of Arran」とどこかに書いてあったはずだぞ。単数形だし綴りも微妙に違う。そこで、Aran Islandsを調べてみると…アイルランドのアラン諸島のことらしい。あーあ。どうも早とちりをしてしまったようだ。
 そう思いつつも手中の『アラン島』をペラペラとめくって読んでみる。

 私はキラニー ―アランモアの最も貧しい村― を通り抜けて、南西へ海の中に伸びてゐる砂山の長い頸まで出かけた。其處で草の上に坐ると、コニマラの山には雲が霽れて、しばらくの間青く起伏する前景は、遠くの山山を背景として、私にローマ近くの田舎を想ひ出させた。(p.17)

 コニマラ。これはもしかしてアイリッシュウイスキーのカネマラ Connemara と関係があるのかも…
 そうこうしているうちに定時の終業時間を迎える。ご来客ナシで完結。2017年初の完全試合達成である。
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by connection1970 | 2017-03-29 18:10 | 本に関する話題 | Comments(0)

今日の一冊110824

 今日の一冊110824水曜日。
 ワイルド作・福田恆存訳『サロメ』岩波文庫 2000年改版。
 不朽の名作と言って良いだろう。
 あれこれ語ることは野暮かもしれない。語ることよりも読むことが大事かと思う。さらに大事なのは読むことよりも感じることだろう。感じることよりももっと大事なのは考えることだろう。
 読んで感じたこと・考えたことを手短に記しておく。個人的な記録に過ぎないのはお許し願いたい。
 『サロメ』を読み阿部定を想起する。思慕の極致は肉体の奪取なのだろうか。
 80gしかない薄い文庫本なのにとてつもなく重い。
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by connection1970 | 2011-08-24 11:42 | 本に関する話題 | Comments(0)

今日の一冊110817

 今日の一冊110817水曜日。
 一般的にはお盆休みの期間なのだろう。街中には人が少ない。始業前に銀行のATMに行くがガラガラである。
 業務にだいぶ余裕がある。本日も多分忙しくはならない。こんな時に買ったまま放置してある書籍を開くのは結構楽しい。
 辻静雄著『ヨーロッパの味』保育社カラーブックス 1965年。
 ヨーロッパのレストランガイドだ。2011年の現在では珍しくも何ともないジャンルである。いや極端に言えば存在価値がないかあるにしても非常に薄いものである。今やこうした情報は本ではなくインターネットが断然有利だろう。“レストラン ヨーロッパ”と入力して検索ボタンを押せば読み尽くせないほどの記事が出てくる。
 一方で辻の『ヨーロッパ~』は1965年初版刊行である。この時代に欧州各地を旅行し高級料理を食べられた人はほとんどいないだろう。ごく一部の裕福な人々はもしかするとそうした体験を瞬間的にできたかもしれない。しかし連続的に体験を積み写真や文字で記録を残しさらに推薦までしてしまうことは誰にもできなかっただろう。この辻静雄を除いては。
 始めに書いておくべきだったが辻静雄は日本のフランス料理研究の草分けである。フランス現地のレストランに何度も通い古今の料理文献も数多く収集・研究した。著名な料理人との交流が盛んであったことでも知られる。
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by connection1970 | 2011-08-17 20:25 | 本に関する話題 | Comments(0)

『酒とつまみ』第13号

 こんばんは。
 人気の雑誌『酒とつまみ』第13号が入荷しました。
 お取り置きも承ります。
 ご来店お待ちしております。
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by connection1970 | 2010-09-13 19:16 | 本に関する話題 | Comments(0)

『酒とつまみ』第11号 発売中!

 コネクシオンで大人気の雑誌『酒とつまみ』。
 第11号を発売しておりますっ。

 いやぁ~。今回も面白さ満載であります。
 「山手線一周ガード下酩酊マラソン」。第2回目のこの企画、良くありそうな酒場の飲み歩きなのですが、情景の描写がとても細かくて見事なルポになっています。読みごたえアリです。
 「瀬尾幸子のつまみ塾」。手軽なつまみを紹介するこのコーナー、今回11回目は「しょっぱいからこそ酒に合う 塩が主役の簡単・極旨つまみ」です。《タマネギ丸焼き》《コーンバター》《塩漬け豚》…どれも手間がかからず、なのにとってもウマそうであります。
 極めつけ。巻頭の特集「つまみで研究したっていいじゃないか!!」。研究…ポッキーや魚肉ソーセージをマドラーにして比較研究してみたり、ビーフジャーキーやさきイカを水で戻して食べてみたり…こりゃ大笑いです!
 その他、どれもこれもお酒好き(いや、お酒好きでなくても)にはたまらない記事がギッシリです。

 さぁて、アナタ。『酒とつまみ』第11号、読まずにいられますか?
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by connection1970 | 2008-09-16 21:53 | 本に関する話題 | Comments(0)