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お酒の香りと味/その1・ジェムソン

 こんばんは。
 前回の「お酒の香りと味/プロローグ」では、このシリーズの意図を書かせていただきました。

 その1として今回から正式スタートするにあたり、下記のお酒を選びました。
 アイルランド産ウィスキー「ジェムソン」。

お酒の香りと味/その1・ジェムソン_c0099300_20335232.jpg 「ジェムソン」を選んだ理由は、2つあります。
 1つの理由は、アイルランドがウィスキー発祥の地とされていることです。その1の題材として、適切ではないかと考えました。
 もう1つの理由は、弊店でのベストセラー・ウィスキーだからです。なぜ「ジェムソン」が良く売れるのか?再度きちんと香りと味を確かめてみよう、と考えました。

 本題に入る前に…
 香りと味を文字にすること。これはかなり難しい事柄だと思います。少なくとも、そのことに慣れていない私には。
 そこで、お手本を用いることにします。
 「ワイナート」編集部・編/土屋守・監修『ウイスキー基本ブック』美術出版社 2012年
 この書籍には、ベーシックなウィスキーがいくつか紹介されており、それぞれにテイスティングコメントがあります。それを参考にしながら、私の感じたことを記していきたいと思います。

◎その1・「ジェムソン」

<色>
・明るい麦藁色と言うのだろうか。ウィスキーとしては中程度の濃淡レベルかと思う。

<香り>
・『ウイスキー基本ブック』;「穏やかでたたずんでいる」「オレンジ、アンズ、モルト、ミント、上質紙、花の蜜、奥からオイル」
・実際に感じられる香り;ウィスキーに鼻を近付けて香気を深く吸い込むと感じられてくる。果物で喩えるなら乾燥したアンズ。ミントの香りもある。柑橘系の香りは感じられない。モルト、上質紙、花の蜜も感じられない。オイルのような香りは確かに少々ある。全般的には、乾いている、軽い、などの印象。

<味>
・『ウイスキー基本ブック』;「味わいは熟した果実の甘み」「その後やさしい酸味が寄り添うように広がる」「余韻はやや短め、心地よい樽の渋味や果実の甘みが残る」
・実際に感じられる味;熟した果物の甘味。カキ(柿)に近い。穀物の味がかなりある。余韻は短い。樽の渋みは突出して感じられない。全般的に干し柿を連想させる。

<所感メモ>
・鼻で嗅ぐことのできる香りは微弱である。
・甘味がはっきりと出ている印象。
・穀物の味が強く感じられるのが意外。
・渋みや苦味、スモーキーさはほとんどない。
・淡麗なので水割りやソーダ割りにはあまり向かないのでは。
・なぜ「ジェムソン」が売れるのだろうか。自分なりの回答:“カジュアルなウィスキー”だからではないか。じっくりと味わって飲むよりも、会話をしながらあるいは賑やかなパーティを楽しみながら飲む、というパターンに適しているからではないか。

◆お酒の香りと味シリーズ◆お時間がございましたら覗いてみてください
その2・オールドパー12年
その3・メーカーズマーク
その4・カナディアンクラブ+1
その5・山崎12年+1
その6・グレンフィディック12年+1
その7・ボウモア12年
その8・ジャックダニエル
その9・スプリングバンク10年
その10・ザ・マッカラン12年
その11・ジン・トニック(前編)
その12・クラガンモア12年
その13・グレンスコシア12年
by connection1970 | 2012-05-03 19:12 | お酒に関する話題 | Comments(0)
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