こんばんは。
前回の
その4・カナディアンクラブ+1はいかがでしたか?ご参考になれば幸いです。

その5です。日本のシングルモルトウィスキー「山崎12年」。
満を持して、と言いたいところです。
本当は、このウィスキーから『お酒の香りと味』のシリーズを始めようと考えていたのです。でも、最初のうちから突出した物が出てくるのは、進行上ちょっとなぁ…?と思い、今まで遠慮していました。
今回も次の書籍を参考にしながら味見をしました。
「ワイナート」編集部・編/土屋守・監修『
ウイスキー基本ブック』美術出版社 2012年
◎その5・「山崎12年」(画像左)
<色>
・明るいオレンジ色という感じ。黄色が強いが若干赤みがかっている。
<香り>
・『ウイスキー基本ブック』;「落ち着いているがしっかりと訴えかけてくる印象」「オレンジの皮や実、黄桃、花やその蜜、ミント、麦芽、クリーム、上質紙」
・実際に感じられる香り;香りは華やかに広がる。グラスの外にも溢れてくる感じがする。オレンジや黄桃の香りはある。全般的に果物の芳香がする。花に近い香りも強い。ミントの香りは感じられない。麦芽、クリーム、上質紙の香りも感じられない。
<味>
・『ウイスキー基本ブック』;「ほんのりと果実様の甘みを感じ、その後やさしい酸味が寄り添うように広がる。」「余韻は中程度、果実の甘みやモカフレーバーが残る。」
・実際に感じられる味;香りのイメージが味と一致している。果実の要素、つまり甘み+酸味が凝縮された感がある。余韻はあまり長くない。穀物の味が少し感じられる。モカフレーバーについては感じられない。
<所感メモ>
・『ウィスキー基本ブック』に「複雑で心地よい陶酔感のある香りと甘みをじっくり楽しめる」とある。その通りかと思う。複数の種類の果物を連想させる香りと味が特徴である。
・色→香り→味がすべて違和感なく連携している。
◎その5+1・「山崎10年」(画像右)
『ウイスキー基本ブック』ではラインアップの1点として取り上げられるのみ。
「山崎12年」と比較してみる。
<色>
・違いはわからない。少なくともグラスに注いで見る限りでは同じ色に見える。
<香り>
・「山崎10年」と「山崎12年」との差は微妙。かなり近い。
・前者はやや若さがある感じ。後者は熟成されている感じ。
・前者にない香りが後者にはある。甘いゴムのような香り。
・嗅ぎ続けていると違いがわからなくなる。最初に鼻を近付けた時が勝負。
<味>
・香りと同様に、「山崎10年」と「山崎12年」との差は微妙。かなり近い。
・前者には清涼さ、クールさがある。モルトの味がある。伐採したばかりの樹木のような、植物の余韻もある。
・後者には華やかさ、あたたかみがある。味の統一感、練れた印象がある。
<所感メモ>
・どちらも優れたウィスキーである。
・「山崎12年」の香りと味わいは、“老練”とも言えるのでは。一方で、「山崎10年」の香りと味わいは、若く力強い。
・かなり近いが、両者はやはり別物だと思う。