こんばんは。
前回のその5・
山崎12年+1はいかがでしたか?ご参考になれば幸いです。
その6です。スコットランドのシングルモルトウィスキー「グレンフィディック12年」。
昔々。私がお酒に興味を持ち出した頃(=20年ほど前)は、現在ほどシングルモルトウィスキーは出回っていなかったと思います。
その3・メーカーズマークのところでも触れたように、バーボンウィスキーに人気が集まっていたからかもしれません。
そんな中でも、この「グレンフィディック12年」は、ほとんどのバーに置いてありました。特徴ある三角形の瓶はちょっと目立っていて、棚の奥にあってもすぐにそれとわかったものです。
今回も次の書籍を参考にしながら味見をしました。
「ワイナート」編集部・編/土屋守・監修『
ウイスキー基本ブック』美術出版社 2012年
◎その6・「グレンフィディック12年」(画像左)
<色>
・やや濃いめの琥珀色。
<香り>
・『ウイスキー基本ブック』;「穏やかにじわっと広がる印象」「リンゴ、ライム、オレンジ、ミント、ヨーグルト、バニラ」
・実際に感じられる香り;華やかさ・派手さはない。広がる感じもなし。鼻を近付ければ気付く。リンゴならば青リンゴだろう。柑橘系の清涼感。ミントの清涼感。ヨーグルトは感じられない。バニラも感じられない(ただし後述するグレンフィディック リッチオークと比べるとバニラの香りが感じられる)。
<味>
・『ウイスキー基本ブック』;「さわやかな果実の甘みを感じ、その後やわらかい酸味、渋みがほんのり広がる」「余韻は中程度、やさしいオレンジや桃の風味が残る」
・実際に感じられる味;口に含むと穀物の味がはっきりと来る。清涼感のある香りとのギャップあり。果実様の甘みや酸味はしばらくしないと出てこない。余韻は中程度だろう。熟したオレンジの風味と渋みとが最後に残る。桃は感じられない。
<所感メモ>
・穀物の味が口の中に広がる。ウィスキーらしさがある。
・『ウィスキー基本ブック』に「スペイサイドらしい穏やかで優しい果実の華やかさを楽しめる」とある。確かに穏やかで優しい果実の風味はある。しかし、“果実の華やかさ”とは言いがたいだろう。
・穀物の風味が土台を構成している。そこへ果実の風味がプラスされている。
◎その6+1・「グレンフィディック リッチオーク」(画像右)
『ウイスキー基本ブック』ではラインアップの1点として取り上げられるのみ。
「グレンフィディック12年」と比較してみる。
<色>
・褐色。暗さのある色合い。黒っぽさがある。
<香り>
・穏やか。あまり広がらない。柑橘類を思わせるが、12年にはないどっしりとした香りが重なっている。やや桃に近いか。
<味>
・口に含んだときの穀物感は、12年に比べてかなり少ない。
・熟した果実様の甘みが感じられる。その甘みはそれほど長続きせず。
・渋みが残る。口の中がガサガサするかもしれない。
<所感メモ>
・味のバランスを乱すほどではないが、渋みがかなりある。そこが特徴なのだろう。
・リッチオークを口にしてから12年を試してみると、後者の香りにバニラを感じる。