こんばんは。
かなり前(2015年08月)に「
ウイスキーに合うつまみは何だろう(実験)」という記事をUPしました。お客様から「なかなか面白いので、続きもぜひ」とご声援も頂戴していたものの、その次が出せず、放置状態になっておりました。
それには、ワケがあるのです。「ウイスキーは、多くの蒸溜酒がそうであるように、基本的に食後に飲むお酒ではないか(=食事をしながら飲むお酒ではないだろう)?」という、なかなか動かせない意識が、自分にはあります。
さらにもう一つ、なかなか動かせない意識があります。「ウイスキーはストレートで味わうことを、基本とすべきではないか?」。
ウイスキーは、とても強いお酒です。アルコール度数は40°以上で、60°くらいの強烈な物も少なくありません。ストレートで口に入れれば、当然のことながらヒリヒリとする刺激があります。何かで割るか、せめて氷を入れて薄めないと、キツ過ぎて飲みづらい。それに、すぐに酔ってしまう…確かに、その通りでしょう。しかし、40°のウイスキーなら40°の、60°のウイスキーなら60°の、それぞれの度数に設定し製品化した理由が、必ずあるはずです。
まずは、ウイスキーを知るために、ストレートで味わってみるべき。もちろんそこには、つまみの必要ナシ。単体で。…なんてことが、頭から離れなかったりします。
一方で昨今では、ウイスキーのソーダ割り:いわゆるハイボール、がブームになっているようで、居酒屋さんなどではビール・ホッピー・チューハイとほぼ同じような飲み物として位置づけられているようです。自分で時々足を運ぶ焼鳥屋さんでも、「ソーダで割ってしまうのは、ちょっともったいないかも?」と思えるやや上級なウイスキーをベースにして、ハイボールを出したりしています。実際に注文して飲んでみると、タレ系の焼鳥や揚げ物などと相性が良かったりしてしまうのですよねぇ。
えー。前置きがすごく長くなってしまいました。
あれこれ書きましたが、ここでの主眼は“実験”です。目の前に置くべき物は、ウイスキーとつまみ。考えることはソコソコにして、まずは試してみることに進みましょう。
◎つまみ:ちくわの甘辛煮
<材料と分量>
①ちくわ(小) 8本
②だし(※1) 60ml
③砂糖 大さじ2
④しょうゆ 大さじ2
⑤みりん 大さじ2
⑥青のり 適量
<手順>
1.ちくわは一口大に切る。
2.上記②~⑤を鍋に入れ火にかける。沸騰したらちくわを入れる。
3.鍋にフタをして5分ほど煮る。
4.フタを取り、煮汁が半分程度になるまで煮詰める。(※2)
(※1)だしのベースには、こんぶ・煮干し・鰹節を使用。
(※2)ストレートのウイスキーのつまみとしては、熱い状態よりも冷ました状態が良いだろう。また、2片程度が適量か。余りは保存容器に移し、冷蔵庫に入れる。
◎ウイスキー:
ボウモア12年
ちくわとだし、さらに青のり。いずれも海産物。そこで、鰹節を思わせるような味わいもある、ボウモア12年を合わせてみました。
ボウモア12年を少量口に含んでみます。たき火の煙を思わせる香りと、正露丸を思わせる香り。いかにもアイラ島のウイスキーらしい、スモーキーな刺激です。そこににやや甘みを感じさせるバニラのような香りが、広がってきます。
つまみのちくわを食べてみます。先掲の<材料と分量>では、味が濃いめに仕上がっているため、ボウモア12年の独特の風味にも負けません。甘じょっぱい味。人によっては(それは自分のことかも)“おばあちゃんの味”と呼ぶような味です。そこへ、青のりによる磯の香りがプラスされます。
再度ボウモア12年を口に含みます。スモーキーな刺激が緩和され、甘みの要素が増しているように感じられます。また、40°あるアルコール度数も、それほど気にならなくなっています。
今回も良い組み合わせではないか!と満足しつつも、ふと考えました。
ちくわの甘辛煮も、ボウモア12年も、どちらも単体として好きな物なのですよね。両方を突き合わせてみて、余程のミスマッチにならない限りは、それなりに良く感じられてしまうのでは?と。
うーむ。実験の道のりは、とても長そうですね。