前回の「
その17・ラフロイグ10年(40%と43%)」はいかがでしたか?
またもやスコットランド産のシングルモルトウイスキーです。「ザ・グレンロセス ヴィンテージ1998」です。

“ヴィンテージ”とあります。もともとは、ワインの製造年を示すらしいです。ワインの原料であるブドウは、年ごとに品質や収穫量に差があり、ワインという商品になっても差が出る…そこで、年次を表記してそれぞれの価値の目安にしよう、という意味のようです。
最近は、ウイスキー、特に高級な品々で“ヴィンテージ”表記が増えてきたように思います。ウイスキーの場合には、ワインとは違って、蒸溜(=蒸溜~樽詰め)の年が記されるのが一般的なようです。
ラベル右下端の部分を見ると、「DISTILLED IN 1998 BOTTLED IN 2012」とあります。14年熟成ですね。
さて、表面的な事項はともかくとして…色・香り・味などの特徴に移ります。参考になれば、幸いです。
<色>
やや褐色がかったオレンジ色。暗くはない。明るい色である。
<香り>
アルコール感はあるものの、ツンとした刺激ではない。オレンジやフレッシュな白ワインを思わせる、フルーツ系の香りがまず感じられる。紅茶やキャラメルのような、渋さや甘さを連想させる香りもある。
<味>
口にすんなりと入ってすんなりと広がる。アルコールによる打撃感は、ほとんどナシと言っても良い。甘味と酸味と渋味がバランス良く溶け合っている印象。オレンジピール、レーズン、コーヒーを想像する。
<余韻>
長いと思う。甘味と渋味が口の中に残る。香りはやはり、オレンジだろうか。
<所感>
アルコールが43%でありながら、香りも口当たりも、かなり穏やか。しかし、洗練された味わいがジワジワと効いてくる。
余韻の長さが楽しい。もう1杯同じのを飲んでみようかな…と思わせるタイプでもある。