前回の「
その20・ジ・アードモア・レガシー」はいかがでしたか?
今回もスコットランド産のシングルモルトウイスキーです。「ジ・アラン・モルト・カスクストレングス12年」です。
例によって、蒸溜所をGoogleマップで探してみました。スコットランドの南西部、クライド湾に
アラン島があります。面積は約427k㎡。種子島が約444k㎡らしいですから、それなりに大きい島と思われます。
アラン蒸溜所は、ロックランザ(ロッホランザ、か?)
Lochranzaという港湾村落にあるようです。航空写真で見る限りですが、小ぶりな部類に入る蒸溜所と推測されます。島の小さな蒸溜所で作られるウイスキー…うーん、それだけで物語性が十分にありそうです。
あれれ?ロックランザについて調べているうちに、変なものを見付けましたよ。「ウェイヴァリー
Waverley」という船。これが何と外輪式蒸気船!ロックランザへ入港することもあるようです。うわ~ッ、乗船してみたい。
えーと…今回も「お酒の香りと味」のシリーズなので、そろそろ本題に移りましょうか。
<色>
淡い黄色。うっすらと白い濁り。
ウイスキーが入ったグラスを傾けると、内側に液体がネットリと付着しているのがわかる。アルコール分が多い証左だろう。
<香り>
鼻を近付けると、いかにもアルコールの強い感じ。しかしながら、ピリピリとした刺激ではない。白ワインの香りやレモンの香りがある。
<味>
ラベルにはアルコール52.9%と誇らしげに表記してある。数値は強烈だが、実際に口に入れてみると、意外にアタックは小さい。樽熟成ゆえの、まろやかさだろうか。落ち着いた木材の芳香がまず広がり、次にピリリとしたアルコールの力強い刺激が続く。シャープな味だが、甘さがある。レモンの蜂蜜漬けを思い出させる風味。パンの生地を発酵させているような香りも出てくる。甘味は口の中に残り、白ワインの香りが鼻腔へ抜ける。
<余韻>
香りよりも、味としての甘みが口内に残る。アルコールの力強さが裏返ったかのよう。オレンジのマーマレードを思わせる。
<所感>
20分ほどかけて約30mlの量を飲んでみた。最後のあたりは甘みが増加していた気がする。
強いアルコール分がいくらか揮発したことで刺激が減って、甘みの成分は残存していた、ということだろうか。